自動運転中の信号待ちの最中、あなたは前の車のナンバープレートを何気なく眺めながら、「この地名や数字、ひらがなにはどんな意味があるのだろうか」と一度は頭をよぎらせたことがあるのではないでしょうか。
自動車のナンバープレートをよく見てみますと、地名をはじめ、様々な数字やひらがな、英字(アルファベット)が表示されています。
本日は、自動車に取り付けられているナンバープレート表記の見方や意味、区分のお話です。
この記事を読むことにより、「前を走行している自動車は、どうやらレンタカーっぽい」など道路を走行している他の自動車の情報が、より分かりやすくなるはずです。
ナンバープレート イメージ画像
下の画像がナンバープレートのイメージです。
地名(地域名)は、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局がどこかで決まる。
地名については、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局、または、自動車検査登録事務所の所在地域がどこなのかを表しています。
そのため自動車登録を行った自動車ユーザーの使用の本拠の位置も示していることになります。
自動車の使用の本拠の位置とは、個人の方の場合、その人が実際に居住している住所、法人の場合、自動車を使用する本社、支店、営業所等の活動実態のあるところを指します。
「車庫証明申請と運輸支局における自動車登録の書類提出先」でも触れましたが、自動車登録は、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局、または、自動車検査登録事務所で行います。
自動車登録申請を行った運輸支局、または、自動車検査登録事務所の所在地域により、ナンバープレートの地名が決定されます。
そのため、自動車ユーザーが自由に地名を選択することはできません。
青森県の場合、青森運輸支局の管轄地域であれば「青森」ナンバー、八戸自動車検査登録事務所の管轄地域であれば「八戸」ナンバーとなります。
管轄地域内に住所を置いている方や事業をしている方は、この管轄の地名がナンパープレートに表示されます。
ご当地ナンバーが導入されている場合
ご当地ナンバーを導入している地域では、運輸支局、または、自動車検査登録事務所の所在地域を必ず表しているものではありません。
ですが、自動車ユーザーの使用の本拠の位置を表示していることになります。
※現在青森県内ですと弘前ナンバーの導入に向けて動きが進んでいます。
参考:弘前ナンバーのデザイン案が決定|地方版図柄入りナンバープレート
地名のとなりに表示されている数字(分類番号)の意味や区分
ナンバープレートの地名の隣に表示されている数字は、分類番号と呼ばれ、自動車の種別を示しています。
この分類番号により、普通貨物自動車や小型貨物自動車、普通乗用車などの種別を区分しています。
自動車の種別については、自動車登録規則第13条の別表第2に記載されています。
下の表が種別の一覧となります。
自動車の種別 | 数字 |
---|---|
貨物の運送の用に供する普通自動車 | 1、10から19、100から199 |
人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車 | 2、20から29、200から299 |
人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車 | 3、30から39、300から399 |
貨物の運送の用に供する小型自動車 | 4、6、40から49、60から69、 400から499、600から699 |
人の運送の用に供する小型自動車 | 5、7、50から59、70から79、500から599、 700から799 |
散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゆう自動車その他特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車 | 8、80から89、 800から899 |
大型特殊自動車(次号に規定するものを除く | 9、90から99、 900から999 |
自動車抵当法第2条ただし書に規定する大型特殊自動車 | 0、00から09、000から099 |
なおこの数字の下2桁については、2017年4月以降、アルファベットを導入する動きが出ています。
現在は「330」など数字のみの表示ですが、2017年4月以降は、「3AA」や「31A」などの表示が可能となります。
アルファベットを導入する理由として、大都市圏において、ナンバープレート中央の数字(一連指定番号)で「1」、「7」、「8」が付いた人気のある番号が不足している事情があるためです。
アルファベットを使用できるようにし、パターンを増やすことで、引き続き人気のある一連指定番号を自動車ユーザーに提供できるよう協議が進められていました。
2016年12月28日、国土交通省は、2017年4月以降、3ケタの数字の組み合わせを使い切った地域から分類番号にローマ字を導入することを発表しました。
ひらがなやアルファベットの意味・区分
ナンバープレートの左下にあるひらがなやアルファベットは、自動車の用途を表すものです。
事業用の自動車、自家用車などの区分のことです。
自動車の用途については、自動車登録規則第13条の別表第3に記載されています。
下の表が用途の一覧です。
自動車の用途 | ひらがな、アルファベット |
---|---|
自動車運送事業の用に供する自動車 | あいうえかきくけこを |
自家用自動車(次号及び第4号に規定するものを除く。) | さすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆらりるろ |
道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第52条の規定により受けた許可に係る自家用自動車 | れわ |
日本国籍を有しない者が所有する自家用自動車で、法令の規定により関税又は消費税が免除されているもの及び別に国土交通大臣が指定するもの | EHKMTYよ |
道路運送法施行規則第52条の規定により受けた許可に係る自家用自動車とは、レンタカーのことを指しています。
上の表をご覧になるとお分かり頂けるのですが、「お」、「し」、「へ」、「ん」のひらがながありません。
これは「お」と「あ」の識別がしづらい、「し」は縁起が良くない、「へ」は想像するとお分かり頂けると思いますが、あまり良くない意味があります。
「ん」は発音しにくいといった理由から使用されていません。
「「れ」と「わ」も似ているじゃないか!」という声も聞こえてきそうですが、「れ」と「わ」は同じレンタカーの区分なので、問題がないということになっています。
ナンバープレートの中央にある数字
ナンバープレートの中央に表示されている大きな数字は、一連指定番号と呼ばれており、4桁以下のアラビア数字を表示することが自動車登録規則第13条に定められています。
「・・・1」から「99-99」が割り振られます。
希望ナンバー制度により、一連指定番号は希望する番号を選択することができます。
「1」や「7」、「8」などの人気のある番号は抽選によって割り振られます。
参考:希望ナンバープレートの抽選対象希望番号が追加されています。
ナンバープレートの色と種類
ナンバープレートの色は、自動車の種類、用途(事業用、自家用)によって区分されています。
運転中に一番よく見かける白地に緑文字のナンバープレートは、普通自動車・小型自動車の自家用。
緑地に白文字のナンバープレートは、普通自動車・小型自動車の事業用。
黄色地に黒文字のナンバープレートは、軽自動車の自家用。
黒地に黄色文字は、軽自動車の事業用となっています。
補足 図柄入りナンバープレートの導入
図柄入りナンバープレートへの交換制度が始まり、現在は自家用軽自動車も図柄入りナンバープレートへの交換をすることで白色ナンバープレートを装着することが可能です。
なお黒地に黄色文字ナンバープレートの事業用軽自動車は対象となっていません。
ナンバープレートの大きさ
最も多く普及しているナンバープレートの大きさは、中型サイズです。
中型サイズは、たて16,5cm 、よこ33cm。
通勤やレジャーなど日常の足で使用する自動車は、ほとんどがこの大きさのナンバーが取り付けられています。
なお大型は たて22cm、よこ44cm。
小型は たて12,5cm よこ23cmの大きさです。
封印は正式にナンバープレートを取得したことの証明になる。
ナンバープレートは、自動車の前面と後面の見やすい位置に識別の支障が生じないよう表示し、封印の取り付けを受けなければなりません。
封印は、「この自動車は運輸支局や自動車検査登録事務所で検査、登録を受け、正式にナンバープレートを取得しました」という証拠になるものです。
道路運送車両法施行規則第8条では、封印の取り付けについて定められています。
封印の取り付け箇所が決められており、自動車の後面にあるナンバープレートの左側の取り付け箇所に行わければなりません。
ナンバープレートを固定するボルトの上から、アルミ製のキャップのようなものをかぶせて封印をします。
ちなみに運輸支局での登録を行わない軽自動車は、封印の取り付けをしません。
軽自動車は、運輸支局とは別の機関である軽自動車検査協会で検査を行います。
封印をよく見てみますと、文字が刻印されているのが確認できるはずです。
これは都道府県名の頭文字を表していて、青森県の場合は、頭文字の「青」が刻印されています。
ちなみに東京は「東」、神奈川は「神」となっています。
なお頭文字が同じ文字の場合は、都道県名をすべて表示しています。
長崎は「長崎」、長野は「長野」と封印に縦の刻印がされています。
注意!封印は取り外してはいけない。
自動車の整備のために必要があるとき等、やむを得ない事情があるときを除いて、何人も、封印や封印の取り付けしたナンバープレートを取り外してはいけないことが、道路運送車両法第11条5項に定められています。
また整備が終了するなどやむを得ない事情が解消された場合は、管轄の運輸支局、または、自動車検査登録事務所で、再度封印の取り付けを受けなければなりません。
封印が工具、ドライバー等で破られていたり、取り付けられていない場合、何か問題がある自動車なのではと判断されてしまいます。
また道路運送車両法の第11条第4項では、ナンバープレートに取り付けられた封印をなくしたり、損傷した場合は、再度、管轄の運輸支局、または自動車検査登録事務所において、封印の取り付けを受けなければならないことが定められています。
いたずらをされて封印を破られたり、封印を紛失してしまったり、封印が壊れた・割れたような場合は、運輸支局や自動車検査登録事務所において再度封印の取り付けを受けなければなりません。
自動車ナンバープレートの見方 まとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
自動車に取り付けられているナンバープレートは、次の項目から構成されていることがお分かり頂けたと思います。
・使用の本拠の位置
・分類番号
・自動車の用途
・一連指定番号
・封印
ナンバープレートは自動車1台に対する固有のものです。
複数台の車に、同じナンバーを取り付けることはできません。
自動車登録規則第13条により全国共通の仕様を定め、ナンバープレートに表示されている数字や文字、塗色から自動車の態様を簡単に素早く読み取れるよう細かく区分しています。
ナンバープレートを区分することにより、違反車両を特定したり、高速道路での通行料金の確定、貨物自動車運送事業の無許可運送行為の防止につながっています。
ナンバープレートの見方が少しでも理解できると、運転中、前方や周囲を走っている自動車がどんな自動車なのか、興味を持って運転することができます。
また運転が楽しくなることにつながるかもしれません。
ですが、運転中周囲の車に気を取られないよう安全運転を心掛けましょう。
この記事が何かのお役に立てれば幸いです。
あわせてご参照ください。
参考:軽自動車図柄入りナンバープレート交換申込から交付されるまでの流れ
参考:ナンバープレート表示義務違反やカバー装着全面禁止に伴う罰金や罰則について
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